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≡∬刺青の美学∬≡ 1

◆これを知っておけば芝居を10倍楽しめる?!
∬≡刺青の美学≡∬

このコーナーでは『刺青』にまつわるエピソードや雑学を紹介していきます。本番まで数回にわたって更新する予定なので、観劇前の予備知識としてお楽しみ下さい。


№1:谷崎潤一郎の『刺青』

モチーフとなっている小説『刺青』とは、どんな作品なのでしょうか。
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あらすじ:
肌をさされてもだえる人の姿にいいしれぬ愉悦を感じる刺青師・清吉が年来の宿願であった光輝ある美女の背に蜘蛛を彫りおえた時、今度は……。
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 耽美主義で知られる谷崎の処女作『刺青』は、明治43年、同人雑誌『新思潮』で発表されました。
 性倒錯の世界を通して“美即ち強きものである”という作者自身の世界感が顕わされた作品で、自然主義文学が流行っていた当時の文学界に突如現れた“絢爛豪華でロマンチックな文学”として人々から歓迎を受けました。

 文庫本にしてわずか10ページの短編にも関わらず、1966年の大映にはじまり近年にいたるまで6回も映画化されています。
『刺青』にはクリエーターの創作意欲を刺激する魅力があるだけでなく、そのテーマがいかに普遍的かがわかりますね。

 ちなみに小説は、『異端者の悲しみ』『少年』など初期の7つの作品を収めた短編集『刺青・秘密』として発売されています。(新潮社)
 親しみやすい文体なので普段小説を読まない方にもオススメです。観劇前に読むと、一味違った楽しみ方ができるかも…!
by insyouha-news | 2009-07-24 00:00 | コラム:刺青の美学
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